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僕には26才になる姉がいます。 姉の名前は奈津美(仮名)。 かなりの美人で、関西で人気の女子アナ、八木○希に似ています。 ある日、僕の通う高校にかなり柄の悪い男が2人転校してきました。 彼等は地元でも有名な不良で、やくざと付き合いがあると噂まである人間でした。 もちろん、うちの学校にもそれなりに不良はいましたが、彼等2人と比べるとかわいいもんです。 うちの学校が彼等に牛耳られるのにそれほど時間はかかりませんでした。 彼等2人がやってきて一ヶ月がたった、秋頃。 いきなり2人のうちの1人、高橋が話しかけてきました。 『お前と友達になってやる』 僕は意味がわかりませんでした。 ごく普通の生徒である僕は、何も言えず不良グループに入れられるハメになりました。 毎日、パシリをさせられるのかと思いましたが、そんな事もなく、屋上で煙草を初めて吸ったり、 授業を抜け出して遊びに行ったりと、彼等との不良生活を楽しんでいたのです。 そんな僕を姉は心配そうにしていました。 『あんた、不良グループと付き合ってるらしいね…』『え?…なんでその事を…』 『近所で噂になってんのよ!』『そ…そう』 『受験生の身分で何やってんの!しっかりしてよね!』 僕は姉に心配をかけたくはありませんでしたが、 今更グループを抜けるなんて恐ろしい事はできませんでした。 そんな日々が続いていたある日、高橋がもう一人の不良、木下を連れて僕の家までやってきたのです。 『よう!酒持ってきたぜ!』 その日、ちょうど親が父方の実家の九州で祖父が倒れたとの事で、両親共に帰省していました。 つまり家には姉と僕の二人で僕は少し不安でしたが、高橋と木下を追い返すなんて出来ません。 作り笑いをしながらも、彼等を家に招き入れてしまいました。 姉はいきなりの不良達の訪問に驚いていましたが、弟である僕にだけ文句を言うと、 自分の部屋に閉じこもってしまった様でした。 その時、木下が姉を見てこう言います。 『ふん…生意気な女…まぁその方が楽しいけどな…』 高橋と木下は、僕と同じ高校生のくせに物凄い量の酒を飲みました。 二人とも体がガッシリとしていて、私服になっている状態だと、まるで高校生には見えません。 彼等は持ち込んできたビールを飲み干してしまうと、日本酒が呑みたいと言い出しました。 『おい…お前日本酒買ってきてくれないか?』 高橋は僕にそう言いました。しかし、時間は夜8時を過ぎていました。 その時間にはコンビニくらいしか開いていない田舎です。 僕はコンビニに行ってこようかと聞きましたが、一升瓶じゃなきゃ駄目だと言われたのです。 『原付きで行けばいいだろ』『でも…僕も少し飲んじゃったから…』 『うるせえ!ガタガタ言わずにさっさと買ってこい!』 僕は渋々、隣町の10時まで開いている、業務用スーパーまで行く事にしました。 片道30分…買い物をして帰ってくるのにどれだけ急いでも1時間は超えてしまいます。 『それでもいいぜ、お前が帰ってくるのを待ってるからよ』 『悪いな、ほら金はこいつを使え、釣りは駄賃だ』 木下から1万円を受け取ると、30分かけてスーパーにつきました。 一升瓶以外にもいくつかアルコール類を購入すると、原付きに乗り込み家へ帰ろうとしました。 エンジンをかけ大通りに出ると、スピードを上げました。 しかし、それが運の尽きだったのです。 背後でいきなり、けたたましいサイレンが鳴りました。 『停まりなさい!左側に停車しなさい!』しまった!…そう思いました。 逃げようかとも思いましたが、ナンバープレートを隠しているわけでもないので、仕方なく停車しました。 一応原付きの免許証を見せましたが、高校生が何故そんな大量のアルコールを購入しているのかを聞かれ、お使いだと伝えるとパトカーの中に連れていかれました。 『これに息を吹き込んで下さい』 アルコールを検知するビニール袋を渡されました。 (もうどうにでもなれ!) 僕は思いきり息を吐き、パンパンになった袋を警官に渡しました。 何やら作業をしている間は生きた心地がしませんでしたが、警官が発する言葉に胸を撫で下ろしました。 『酒は飲んでないみたいだな…』僕は結局スピード違反の切符だけを切られました。 そうしている間に、家を出てからの時間経過は裕に1時間は経っていました。 とにかく帰ろう…そう思って原付きに跨がり、今度はスピードを制限しながら帰りました。 家に着いたのは10時前。中に入ろうとしましたが、玄関に鍵がかけられていました。 『あれ?おかしいな…』 僕は何度かインターホンのチャイムを鳴らしましたが、一向に反応がありません。 僕は高橋の携帯にに電話をしました。すると高橋はすぐに電話に出たのです。 『もしもし…』『おう、お前か』『酒買ってきたからさ、鍵開けてくれよ』 その時電話の向こうで何やらドタバタと音がしていました。 『ちょっと待ってな…今開けてやるよ』 自宅に入るのに、高橋に許可を得ている自分に少し嫌気がさしました。 『なんだよ、鍵なんかしめて…』 玄関が開くと高橋が立っていました。 そして、扉を閉めようと高橋に背を向けた瞬間、 僕の口にガーゼの様なものが押し当てられ、急に目の前が暗くなったのです。 次に目が覚めた時、僕は畳の上に寝ていました。 |